そらの向こう側 ~Life of Cymbist~

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2014年 07月 30日

Paphiopedilum armeniacumの自生地

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7月3日から13日までの約2週間の中国滞在はなかなかに濃密なものでした。
いろいろな衝撃はたくさんありましたが、ま、興味ある方は直接聞いてください。

今回の旅で目的はいくつかありましたが、目的の一つは、雲南省で蘭の自生地の山に入ることでした。
雲南省には私が生産しているシンビジューム(Cymbidium)の原種がいくつもあります。これらのことを「中国奥地蘭」と呼び、日本でも流通があります。中でも蓮弁蘭(Cym. lianpan)や春剣蘭(Cym. longibracteatum)、豆弁蘭(Cym. goeringii)、朶々香(Cym. goeringii)などは日本でもよく知られるところです。今回は特に蓮弁蘭の自生地に行けたらなと思っていました。

雲南省で知人と落ち合い、そこから車で7時間ほど走ったところ(貴重な原種保護のために、詳細な場所とお世話になった人の情報はふせておきます。)に、近隣の山のことを熟知していて、目的の植物を伝えれば、良い方法を教えてくださる方がおり、その方のコレクション(それはも~すんごい楽しい場所です。一日いても飽きないくらい。)を拝見しながら、今回の私の趣旨を説明しました。

「私は蓮弁蘭の自生地が見たい!
くれぐれも言っておきますが、採集したい訳ではありません。見たいのです。どんな場所に、どんな環境に、どうゆう存在感で生きているのかをこの目で見たいのです。」
などど説得すること半日くらいでしょうか(笑)

「もう蓮弁蘭は乱獲されてしまってるから、まず見ることはできないけど、あった場所ならたくさん知っているよ。それこそ、何も見られないのも残念だろうから、蓮弁蘭を探していた時にPaphiopedilum armeniacumの大群落を見つけたから、そこに連れて行ってあげよう。」

とのうれしい返事をもらいました。
しかも、Paphiopedilum armeniacumの大群落??私の大好きなパフィオの一種です。
「ぜひ!!!ぜひ!!!」
と頼み込み、翌日にそこからさらに車で2時間ほど山道を走り、途中で最終地点の案内をしてくれる少数民族の方(彼曰く、ここまで来た日本人は初めてらしい。。)と合流し、さらに歩く山中を歩くこと小一時間とそれほど過酷ではないアクセスで目的地まで行くことができました。

標高約2200m、思った以上に切り立った岩場を進み、南側の斜面にのみ、Paphiopedilum armeniacumはありました!
斜面一杯に、密度が高いところでは足の踏み場もないほどにあるのです。その数、数千株??万の桁いくかもしれません。斜面にはいろんな植物が育ち、それらの落ち葉などが堆積して腐葉土の堆積が各所にみられ、そんな低木の木陰や岩陰にひっそりとひそむようにPaphiopedilum armeniacumが生きていたのです。
開花期ではなかったために花は見れませんでしたが、種小名のarmeniacumは花が杏黄色であることに由来しているように、黄色のコロンと丸い花達が咲く光景は、雲南省の山の精霊が雨やどりでもしているかのような景色なんだろうな~と想像しながら、山から揺れながら下る車内で貴重な出会いの感動をかみしめました。

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結局、もともとの目的の蓮弁蘭とは「やはり」出会えませんでしたが、自生環境を知ることはできました。
そして、道中目にする風景を見ながら、このどこかで、必ず生きていると確信していました。

私の地元宿毛市でもカンランが乱獲されて、もう自然にはほとんど見ることができないであろうと言われていますが、それでも、カンランは生きていることを知っています。

同じように、広大な中国大陸でも乱獲されたという蓮弁蘭も必ずどこかで生きていて、清廉な花をどこかできっと咲かせているんだと思います。


私は、蘭の生産業を営みながら、世界各地の自生地を一年に一度は訪れることが目標であり、楽しみです。
自生地を自分の目で見て、肌で感じて、そうして得られた情報を、私の蘭を気に入ってくださる方にお届けしていきたいな~と思っています。

「自生地を知る」ことは植物作りの原点です。
これからも粘り強く続けて、いつか、狙った花の自生風景を見事に観察してみたいです♪

さ~、次はどこに行こうかな♪
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by cymbist | 2014-07-30 23:44 | 自然